今年の父の日(もちろん、いつでもいい)は、次の時計を自分好みにアレンジしてみてはいかがだろう。
2000年代初頭にインターネットによる時計愛好家のルネサンスが始まり、それに伴って、時計デザインのいくつかの要素がコストに敏感な愛好家たちの手に入るようになった。より複雑なケース形状、ますます精巧な仕上げ、さらにシースルーバックといったものが、大衆向けに、そしてより多くのコレクターの腕に届くようになったのだ。
シースルーバックの登場は、両刃の剣のようなものだ。時計を知らない人(僕のように)にとっては楽しい時間となった。そして、これらのムーブメントが日の目を見ることはとても特別なことだと感じるが、シースルーバックのトレンドが続く中で、僕は何かが失われたと感じるようになった。僕たちは、時計の中で唯一の純粋なパーソナライズポイントとなる、エングレービングの余地のあるケースバックを犠牲にしてしまったのだ。
“Drive Carefully Me(運転に気をつけて)”や“M.Brando(マーロン・ブランド)”、“F*** 'em if they can't take a joke(冗談が通じないやつなんてつぶしちまえ!)”と言えば、ほとんどの人が頭の中にユニークな時計を思い浮かべることだろう。しかし、これらの時計はどれも決してユニークな作品というわけではない。時計博物館に行き、歴史上の著名な人物が身に着けていた時計が展示されていたら、きっとケースバックの刻印を直接見せるか、小さな鏡を使ってその存在をアピールしていることだろう。コール・ペニントンの言葉(そして、カスタムメイドのTシャツ)を借りれば、“Always Read The Caseback(常にケースバックを読め)”だ。
僕はやはり素晴らしいエングレービングが大好きだ。そして、あなたがもち続けるであろう時計や、特別な瞬間を記念して贈るものには、エングレービングを施すのが一般的だ。これを心に留めておきつつ、ここでは刻印が可能な(そしてすべき)時計をいくつか紹介しよう。ただし、スペルの再確認はお忘れなく。
ロレックスとチューダー
これは間違いない選択なので、僕はポイントを詳しく説明しないが、ロレックスとチューダーは、*ほとんど*の時計がエングレービングに最適な昔ながらの地味なケースバックをもつため、エングレービングを支持する人々にとっての好例であり続けている。
オイスターケースほどエングレービングが映える時計はない。サブマリーナーやデイトジャスト、ブラックベイ フィフティ-エイトなど、両ブランドとも貴重で需要の高いモデルを作り続けているが、ロレックスとチューダーは、多くの購入者が自分の時計を完全に自分のものにしたいと考えていることを知っており、ケースバックに十分なスペースを確保している。
ノモス クラブ キャンパス
ノモスの全ラインナップの中で最も好きなモデルと言っても過言ではないクラブ キャンパスは、風変わりで手ごろな価格、優れた作り、そして無限の可能性を秘めた、文字通りエングレービングするために作られた時計だ。37、38、39mmモデルがあり、ノモスのロングセラーであるCal.α(18万7000円~)もしくは自社製のネオマティック(36万8500円~)を搭載している。これらのモデルのケースバックには、最小限の文字しか表示されておらず、エングレービングのための十分なスペースが確保されている。
カラーバリエーションが豊富なクラブ キャンパスは、ドレッシーなデザインとスポーティなデザインが融合したドイツ製の卒業生向けウォッチで、20mmのラグを採用しているため、ストラップを交換することで自分らしさを演出することができる。
カルティエ タンク
“アイコニック”という言葉にふさわしい価値をもつ、タンクはさまざまな形とサイズで提供されており、また、ジャクリーン・ケネディ・オナシスの重要で明確なエングレービングを施されたモデルの存在が知られて以来、ケースバックのエングレービング可能なスペースは縮小しているが、カルティエは今でも自分のメッセージを加えるために十分なスペースを確保している。
スティール製のソロ、カラフルなマスト、あるいはフルゴールドのブレスレット(パンツァー VIII マウスライン)など、タンクデザインの時代を超越した持続性は、言葉や日付、あるいはちょっとした線画を描くのに最適なキャンバスのように感じられる。
ロレックス スーパーコピー