MASTER OF G誕生のきっかけとなった1985年発表のDW-5500Cは、G-SHOCKの基本性能である耐衝撃性に加え、プッシュボタンを覆うことで防塵・防泥性能を高める、マッドレジスト構造を採用したモデル。マッドレジスト構造はその後もマッドマンをはじめとする数々のモデルに継承され、やがて、MASTER OF Gシリーズのなかでも過酷な陸上環境での使用を想定した“陸G”を象徴する機能となる。そんな“陸G”を代表するコレクションが、アナログの時刻表示を取り入れて2015年に誕生したマッドマスターだ。GWG-2000はその最新モデルで、優れた防塵・防泥性能はそのままに、カーボン素材を随所に取り入れることでサイズダウンと軽量化を図っている。
マッドマスターの進化における重要なエレメントの一つが、G-SHOCK初採用となるフォージドカーボン。これは、カーボン繊維を混ぜ合わせて強化した樹脂を金型に押し詰め、高熱によるプレスと自然冷却によって成形するマテリアルで、旅客機の機体やレーシングカーのボディに用いられるほど優れた成形性と、軽量かつ強靭な特性を持つ。GWG-2000ではこのフォージドカーボンを、ベゼルの12時位置と6時位置、つまり時計本体とストラップとをつなぐ、ハードな環境でダメージを受けやすい部分に使用することでMASTER OF Gに求められる耐久性を確保した。
もう一つのエレメントが、カーボンコアガード構造。2019年発表のグラビティマスター GWR-B1000で初めて採用され、その後は数多くのモデルに採用される、現在のG-SHOCKの“コア”となる耐衝撃構造だ。心臓部であるモジュールを保護するのみならず、従来モデルのGWG-1000と比べると、ケース厚を1.9mmも薄型化することに成功した。また、フォージドカーボンベゼルとカーボンコアガード構造によって軽量化も実現。これもGWG-1000と比較すると13gも軽くなり、装着感が向上。過酷な状況下で使用するツールウォッチとしてはもちろん、日常での着用においても大きなメリットである。
GWG-2000では、“陸G”の象徴でもあるマッドレジスト構造も改良されている。ステンレス製のボタンパイプに合わせて成形されたシリコン製の緩衝材を内包する新開発のマッドレジストボタンを採用しており、防塵・防泥性能を高めたのはもちろん、より長期の使用にも耐えられるようになった。さらにGWG-2000では6時位置のボタンとリューズのみにローレット加工を施し、よりアクセントとしての効果を強めている。
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